携帯サイトのログを解析するには? | SiteTracker(サイトトラッカー)

SiteTrackerに関するよくあるご質問にお答えします。

携帯サイトのログを解析するには?
【 Ver.9/8 】

このページでは、SiteTracker の標準機能のみで可能な解析について記載しておりますが、オプションをご利用いただくことで、より精度の高い解析をおこなう事も可能です。詳しくは以下のページをご参照ください。
携帯サイト解析支援モジュール CIVALLink Icon


「SiteTracker では携帯サイトのログは分析できないのでは?」と思われる方も多いと思います。

これは基本的に間違いで、ある意味で正しいと言えます。
理由は、SiteTracker がログ分析型であることと、携帯アクセスの特性にあります。

SiteTracker がログ分析型であることは、ご存知のことでしょう。ログに残っていれば、工夫次第で解析ができるというメリットがあり、また、ログに残っていない情報は当然どう頑張っても分析できません。これはなにも SiteTracker だからという訳ではなく、ログ分析型の全てのアプリケーションで共通です。

では、携帯サイトのログの特徴とはなんでしょう?
以下に代表的な例をリストアップすると、

  • 携帯の機種やキャリアによってログに残る情報が異なる。
  • 機種、キャリアによって参照元情報が削除される。
  • 端末固有情報が残らない場合がある。
  • 多くは Cookie が使えない。
  • JavaScript が使えない。
  • キャリアによっては同一セッション中に IP アドレスが切り替わる。

また、公式サイトと非公式(いわゆる勝手サイト)でも違いが発生しますが、それは SiteTracker の問題ではありませんので割愛します。

SiteTracker では、IP アドレス、エージェント、あるいは Cookie などでユニークユーザを特定します。その情報が元々欠落しているのですから、ユニークユーザの特定が困難になることが充分予測できます。但し、PV 数は正確に計測することができます。
また、WILLCOM の W-ZERO3 のようなスマートフォンの場合は、PC と同等のデータが取れます。
逆に、これは PV 数をベースとした解析なら可能であると言えます。

では、実際に解析してみた結果を見てみましょう。

下の図は、PC、携帯、PDA(スマートフォン)に対応した Web メールサイトのサンプルログをそのまま解析した結果です。
※ プラバシー保護のため、一部 IP アドレス/URL/機体固有番号などはモザイクがけしてあります。

エグゼクティブダッシュボード


なんとなく数字はまともそうに見えていますが、実はこのサイトにテストでアクセスしている人は数人であり、訪問者の分析は現実の数字からかけ離れています。


日付サマリ


まず、日付サマリを表示させてみます。
先程書いたように、ビュー数は正確にカウントされていますので、訪問数の詳細を見てみます。


訪問の詳細


ここでまず赤枠で囲んだ部分をみてください。

23:07~23:09 の 2 分間に、Docomo 端末機で 7 訪問しています。
ホストを見ていただくと、IP アドレスが、「210.153.84.1」~「210.153.84.212」の範囲に収まっています。
これは公開されている「docomo.ne.jp」の IP アドレスです。
テスト環境でのログなので、これは同一ユーザの一連のアクセスであると判明しています。
またこれが Docomo 特有の、一連の接続中に IP アドレスが付け変わるという仕様です。

6~8 番目は、61.198.141.161~162 のアクセスがありますが、これは WILLCOM からのアクセスであり、WindowsCE はスマートフォン、WindowsXP は PHS カードからのアクセスです。この場合、PC と変わらない解析が可能です。

また、17 番目に Softbank のアクセスがありますが、こちらも PC に近い情報が取れるので解析が可能です。

今度は、この日のブラウザ詳細を見てみましょう。


ブラウザ詳細


先程の日付サマリから当日のブラウザ詳細をドリルダウンしてみます。

ここに携帯の機種情報があり、Docomo の携帯アクセスが SO702 という機種からのみ行われているのが分かります。i-mode 公式サイトですと、接続時に端末固有 ID を送信するか尋ねてきて、端末固有の ID を発信し、機種番号の後ろに付いてログに残るようです。最近は、設定で発信できるようになったようですがデフォルトはオフのようです。

また IP アドレスが変わるたびに別の訪問と数えられ、偶然同一の IP アドレスが再割当された場合、その時間差によって同一訪問と見なされたり、リピータと見なされたりする可能性があります。従って解析対象としては正確ではありません。

ここで「J-PHONE」の文字が見られるのは、過渡期であるということで見る人が「Softbank」と読み換える必要がありますが、訪問数などは正しく計測できています。
※ 端末の固有番号も出ていますがプライバシー保護のためモザイクをかけています。

同様にスマートフォンである SHARP/WS007SH は、WindowsCE と出ていますが、WILLCOM の W-ZERO3[es](WindowsMobile5.0 が稼動)であると読み換える必要があります。解析に要する情報は PC とほぼ同じものが得られ、訪問数も正確に取れています。

このように、最近の携帯端末は段々高性能化してきており、徐々に PC と同質のログを残す機種が増えてきましたが、過去に構築したインフラに引っ張られる仕様も残っています。携帯キャリア毎、世代毎の詳細はそれぞれのキャリアの資料を参照して頂くことで、ここでは割愛します。

以上のことから、次のようなことが言えます。

  • SiteTracker で、携帯サイトの解析は可能。
  • キャリアを限定すれば、PC と同等の解析が可能。
  • キャリア、携帯の仕様により正確でない結果が出る部分がある。

ということで、初めの SiteTracker は携帯サイトを解析できないというのは、基本的には間違った情報であり、ある意味においては正しいという事になるのです。
但し、それは携帯アクセスに依存するものですので、将来的に解決する可能性はあります。

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※ 操作手順や用語は、基本的にSiteTracker 8 をベースに記載しています。